ブラック企業が好むキャッチフレーズ
ネット上の企業関係のまとめサイトで「ブラック企業が好むフレーズ」というものを見かけました。「求人広告に、こういうキャッチフレーズがあったらブラック企業の可能性が高い」というものです。少々言いがかりに近い気もしますが、まとめサイトでの言い分と申しますか、どういったものが取り上げられているのか抜粋してみました。
・「未経験者歓迎!」
・「少数精鋭」
・「やる気のある人求む」
・「アットホームな社風です」
こういうキャッチフレーズには気をつけようということなのですが、よく見かけるキャッチフレースにも思えます。真意はどこにあるのでしょうか。
・「未経験者歓迎!」
ブラック企業と呼ばれる企業の多くは、確かに「未経験者歓迎」と求人情報に記載しているのは事実かも知れませんが、全ての「未経験歓迎」企業がブラックというわけではあり得ません。
「経験者があまりいない職種」「ぜひ未経験者を採用したい」「社内の研修・教育が充実しているから未経験者でも全然OK」という場合もあるわけです。
ただ、やたらに「未経験の先輩社員が多数活躍しています」とか「全くの未経験者を歓迎」と強調している場合には気をつけた方がよいかも知れませんが・・
・「少数精鋭」
ベンチャー企業では「少数精鋭」を歌うケースが多いような気がします。なにしろ大量生産・大量サービスではないので本当に少数精鋭ではないと経営が立ちゆかない場合も多いですから。
逆にブラック企業が、こういうフレーズを使うのかというと少々疑問ではあります。少数精鋭ということは一人一人の従業員を見て大事にするという意味でもありますから。
・「やる気のある人求む」
企業が求人をする場合に「やる気のない人」は求めませんから(笑)これも本当にブラック企業なのかな?とも思ったりもします。
反面、そうしたあたりまえのことを強調する(やる気のある人を求めるのはあたりまえという意味)のは、人事担当者の語彙がない場合をのぞいて、「やる気のない人を、たくさん雇い続けている」ということなのかも知れませんから、そうした場合はブラック企業なのかも・・・?
・「アットホームな社風です」
このキャッチフレーズが「ブラックだ!」という方の言い分は、”アットホーム”=”同族企業”との認識から来ているそうです。しかしながら社長が人格者で暖かみのある人物だとしたら、やはり、こういうフレーズになるのではないでしょうか。
いずれの場合も、「こう書いてあるから」ブラックだ、というわけではなく(キャッチフレーズで、ブラック企業を判断するのはムリがある)、なぜそのキャッチフレーズが「危険」なのか、きちんと理解した上で、実際に就職しようとする企業ひとつひとつを丁寧に見極めないと、どれもこれも「ブラック」に思えてしまい、「いい就職」が出来なくなってしまうかも。
逆にいえば、求職者自身(自分)に対して企業が「履歴書に○○○と書いてあるから、やる気のない人物だ」と紋切り型で判断していたら、せっかくの「いい人」を採用できなくなってしまうかも。
それにしても、なぜ、このような「ブラック企業が好みキャッチフレーズ」というようなものが出回っているのでしょうか。ブラック企業に就職したくない(身を守りたい)、好事家、様々な思いが交錯しているところに、ネットの掲示板やSNSなど匿名で言いたい放題、無責任に言える環境など、昨今のコミュニケーション手段もあってのことなのでしょうけれども、多くの「求人サイト(とくに大手の求人サイト)」も、求人情報!掲載!検索!ボタンひとつで就職!はいおわり!みたいな、極端にシステム化されすぎて、人と人との出会いの部分が、よく見えなくなってしまっているところも原因なのかも知れません。
就職(あるいは求人)は、人と人との出会いです。
そういう意味で、ひとりの人間がひとつの企業に就職する活動(就職活動ひとつひとつ)を、懇切丁寧に大切にしていきたいものです。
いしかわ就職最前線では、ひとりひとりの特性・希望などを丁寧に対応させていただくため、個別相談会に取り組んでいます。キャリアアドバイザーが個別に面談(キャリアカウンセリング)を行い、皆さまのご要望や適性をふまえ、石川県内の企業との出会いの場を提供しようという取り組みです。
ネット上では今回取り上げた内容以外にも「ブラック企業の見分け方」のようなコンテンツが、けっこうあったりしますが、そんなにカンタンに見分けられるんだったらいいですよね。
サイトの求人情報だけを見て、ここはブラック企業、あそこはブラック、そこはブラックと疑心暗鬼になるよりも、自分にとって(あるいは採用企業にとって)、一番いい出会いが大事。
疑心暗鬼になるほどに就職が不安だということなのでしょうから、個人で悩むよりも専門家と話してみることをおすすめします。少なくとも気が楽になりますよ!